先日、東京スカイツリー近辺を歩いている時に、ポップコーン専門店を見つけました。
後で調べて分かったのですが、今年の3月にオープンしていたようです。

残念ながら閉まっていたので中の様子は分からなかったのですが、入り口の作りは小洒落ているし、外に置いてある広告も質が良いもの
だったので、ある程度資本に余裕が有るのだろうな、という印象でした。

ポップコーンメニュー

広告を見ると、ポップコーンのフレーバは約30種類あるとのこと。
専門店と名乗るだけのことはありますね。

しかし、とりわけ目を引いたのは、ポップコーンの価格設定。
S,M,L サイズと3サイズ用意されているので、松竹梅理論で恐らくMサイズが主力サイズでしょう。

気になる価格は、

Sサイズ 270円
Mサイズ 400円
Lサイズ 540~600円

単価安すぎ!
思わず2度見をしましたね。

スカイツリーから徒歩5分の店舗。
観光地ではあるけれど、この辺りは土地柄が余り宜しく無いため、多少は土地が安かったりします。
狭めの店舗だったので、箱代はさほど高くないのかもしれないですが、それにしてもコンスタントに利益を出すのは厳しそうです。

原宿「ギャレットポップコーン」との戦略の違い

ポップコーンといえば思い出すのが、原宿の「ギャレットポップコーン」
はたして、ギャレットポップコーンに続き、2匹めのドジョウを狙ったのでしょうか?

ギャレットポップコーンは一等地に出店することで、話題性からブランディングを行いました。
が、この店舗は観光地とはいえ、人通りがさほど多くない道沿いの小さな店舗です。
広告費を使い集客している風でもありません。
実際、かきいれ時なのに店舗は閉まっていました。

更に、ギャレットポップコーンは、Mサイズが600円と、単価が高めです。

ビジネスの基本はパクリですが、ギャレットポップコーン モデルをパクっているようにも思えません。

いよいよ、この店のビジネスモデルが気になります。

専門店戦略

ところで、この「専門店」ですが、弱者の戦略としてはとても正しいものです。
麻婆豆腐専門店、塩専門店、白T専門店 などなど。
大手が参入してこないであろうニッチな市場でシェア拡大を狙う、ランチェスター戦略です。
(ランチェスター戦略に関しては、後日別記事を起こします)

ポップコーン専門店は典型的なランチェスター戦略を取っているように思えます。
戦略としては正しいですね。

顧客層の差別化

この店舗は、店舗へのお客に依存しないビジネルモデルであると思われるので、恐らく顧客層をシフトして(ずらして)いるのだと考えられます。

文具店が BtoC ではなく BtoB で収入を得ている、というよく有るパターンですね。

公式ウェブページで調べた所、こんな記述がありました。

・お友達同士のBBQやオフィスでのパーティーに
・幼稚園、小学校などの運動会に
・商店街、企業様のなどの各種イベントの盛り上げに
・学園祭、バザーなどの出店に!

基本的に、イベントでの集客アップやプロモーション として使って頂く想定のようです。
まさにBtoBですね。

結婚披露宴や二次会への出張パックサービスも行っているようで、BtoCでも通常の顧客層とは違った層を狙っています。

どちらにせよ、ポップコーン単品の価格は関係ない形態ですね。

まとめ

このポップコーン専門店の戦略は、売るモノのシフト、売るターゲットのシフトです。

ポップコーンを売る のではなく、ポップコーンを作る事を手段とした「集客」「プロモーション」「イベント」が真の商品です。
よく言われる、「モノを売るのではなくコトを売れ」ですね。

販売経路は、顧客への対面販売ではなく、企業や組織への販売経路が主であると思われます。
(ポップコーンのネット販売も行っている様で、ともするとこちらの方が売上が大きい可能性はありますが。)

であるならば、実店舗を持つ理由はなんでしょうか?

店舗自体が広告であると考えるのが妥当かもしれません。
フレーバーの種類が多い為、一度購入頂ければリピートして頂ける可能性も高そうではあるので、割の良い広告なのかもしれません。

また、フレーバーに対する市場調査を行う場所 との位置づけをしているかもしれません。

一点気になるのは、ゴールデン・ウィークという稼ぎ時に店舗が閉まっていた事。
イベントで人手が足りなかったのか、早々に閉店することを決めたのか。

気になるので、味見を兼ねて、後日改めて訪ねてみようと思います。