日経電子版の価格設定を見たことがありますか?

下記のように、ちょっと不思議な価格設定になっています。

・電子版    4,200円 / 月
・宅配(紙面)  4,900円 / 月
・宅配+電子版 4,900円 + 1,000円 / 月  

※ https://www.nikkei.com/r123/ より

この価格設定を見ると、電子版単体での申込みは割高感があり、宅配+電子版 のプランにお得感を感じます。
というよりも、電子版の価格設定が謎すぎです。

メニューの価格設定どのように決めていますか?


こちらでも書いていますが、予想通りに不合理という書籍に、以下の事例が紹介されています。

エコノミストという雑誌の購読メニュー

A.ウェブ版の購読           59USドル
B.印刷版の購読            125USドル
C.印刷版 + ウェブ版の購読  125USドル

MIT学生にこのメニューを選ばせた所、Cの選択肢が一番多く、Bを選んだ学生はいなかったとの事です。
これは、「印刷版」よりも「印刷版+ウェブ版」が得だと感じる人が多かったためです。

人間は物の価値を常に相対的に決定しています。
ウェブ版の妥当な値段の基準を持っている方は少ないのではないでしょうか。
となれば、他の似たサービスと「相対的に」比べ価値付するしかありません。

さて、日経の価格設定ですが、明らかにエコノミスト誌の実験を踏襲し、宅配+電子版 のユーザー増加をターゲットとしています。

日経経済新聞社の喜多恒雄社長曰く

朝は朝刊、通勤時は携帯、会社ではPCで――といった形で、紙とあわせて購読してもらうことで、良さが一段と分かってもらえ、共存関係を作れると確信している。紙は最も重要な柱だが、それに続く柱に育てたい

つまり、紙面の購読ユーザーを電子版に移行させたくないと言っています。

行動心理的に、宅配+電子版 を選んでしまいますが、日経が選んでほしくない(=本当にお得)なのは、電子版単体の購読です。
勿論、私は電子版のみ購読していますよ(笑)